[ファッションとしての迷彩]
軍事用に開発された迷彩・カモフラージュのパターンは「迷彩柄」「カモフラージュ柄」として民間のファッションや芸術作品に取り入れられています。
 
 
■黎明期■
1914年、フランス軍の車輌に最初の迷彩塗装がされた時、ドイツ帝国軍進攻までの3週間に、パリのファッションデザイナーはそれらを観察し、その抽象的なパターンを婦人服に取り入れました。
これがどういう事かというと、迷彩柄は軍服や戦闘服に採用されるより前に、民間のファッションに取り入れられていたという事になります。
最初に迷彩柄を絵画に取り入れた芸術家は
「ジャン=ルイ・フォラン」
「シャルル・カモワン」
「ジャック・ヴィヨン」
「ルイ・マルクーシ」
といった、フランスのポスト印象派、またはフォーヴィスム派でした。
彫刻の分野では「アルフレッド・ブーシェ」「シャルル・デスピオ」が迷彩柄を取り入れていました。
迷彩柄の破壊的なパターンは「パブロ・ピカソ」らキュビスムの芸術家によって開発されたという説もありますが、軍に雇用されていた記録が残っていません。
 
■1960年代以降■
軍港として栄えるアメリカ合衆国サンディエゴのMLBチーム「サンディエゴ・パドレス」は毎年4月の「ミリタリー・オープニングデー」において、迷彩柄のユニフォームを着用しています。
 
第一次世界大戦、第二次世界大戦を経て、迷彩柄は少しずつ軍国主義的なイメージを帯びるようになり、戦後しばらくは芸術やファッションの分野で使用されることはありませんでした。
しかし、1960年代以降の芸術家達は、起源が軍事発祥であるというのを無視、または、逆に反戦のメタファーとして「隠蔽し、歪曲させる」という迷彩柄独特の手法と概念を大胆に作品に取り入れだしました。
 
例えば「アンディ・ウォーホル」の「Camouflage Self-Portrait」(1986年)や「アラン・ジャケー」による1961年から1970年代までの作品群。
「イアン・ハミルトン・フィンレー」「ヴェルーシュカ」「ホルガー・トリュルシュ」による共同作品「Nature, Signs & Animals」(1970年)「Mimicry-Dress-Art」(1973年)
トーマス・ヒルシュホルンによる「Utopia?: One World, One War, One Army, One Dress」(2005年)などがこれにあたります。
 
これに伴い、迷彩柄の衣類も少しずつ普段着として浸透していきます。
アメリカ軍払い下げの、頑丈で安価な戦闘服は、まず合衆国とその他の国の狩猟ハンター達の間で市場を見い出す事となります。
その後、各国軍が恒常的に払い下げを行ったため、特に戦争への嫌悪感の薄かった戦勝国を中心に、更にその市場を拡大、迷彩服に限らず、1960年代には戦闘服を普段着として着用することが一般的になっていきました。

VVAWなどの反戦運動家達は、反戦のシンボルとしてこれを着用していました。
ベトナム戦争終結後には、OD(オリーブドラブ)の戦闘服に代わって迷彩柄のものが人気を博し、1970年代に入ると、迷彩柄は反戦のシンボルというよりも、若々しさや反規律や反秩序を象徴するデザインとして受け入れられ、ついにはハロー・キティの衣装や、野球のユニフォームにまで採用されるようになっていきました。
 
ハイファッションの分野では「ジャン=シャルル・デ・カステルバジャック」「ローランド・チャカル」「スティーブン・スプルース」「フランコ・モスキーノ」らが、1990年代までに迷彩柄を使用しています。
 
■1990年代以降■
1990年代以降も、迷彩柄の使用は一過性の流行に終わる事はなく
「ジョン・ガリアーノ(クリスチャン・ディオール)」
「マーク・ジェイコブス(ルイ・ヴィトン)」
「コム・デ・ギャルソン」
「シャネル」
「トミー・ヒルフィガー」
「ドルチェ&ガッバーナ」
「イッセイ・ミヤケ」
「アルマーニ」
「イブ・サンローラン」
などの、デザイナーとブランドが迷彩柄を取り入れたデザインを発表しました。
 
「Zoo York」「A BATHING APE」「マリテ+フランソワ・ジルボー」「ストーン・アイランド」などのブランドは、迷彩柄に他のシンボルを溶け込ませたり、明るい色合いを使用した「ニセ迷彩柄」テキスタイルを多くデザインしました。
 
このような流れで、迷彩柄は単なる軍事発祥から民間へ広がり、デザインとして定着してきましたが、バルバドス、アルバなど西インド諸島のいくつかの国では、法律で迷彩柄の着用が禁止されているところもあります。

以上、迷彩の起源からファッションへの発展を時系列的に述べましたが、ハイキング、トレッキングなどで迷彩柄を着用するのは、万一の遭難時、その特性から、捜索隊に救助される可能性が低くなってしまうので、お気をつけ下さい。
 
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